「待たせてすまないね。上で話そうか」
「すまないと思うなら茶くらい出さんか。うつけが」
若く見えるけど千早様よりも年上かな?
千早様が大学生くらいなら、この方は三十代には満たない社会人だ。
「若月、茶の用意を頼むよ」
「はい、兄上」
「こんなひよっこが茶を点てるのか?飲めるものが出てくるんだろうな?」
「な、んだとっ…!」
うわっ…。
見た目は綺麗なのに発言の刺が凄まじい。
若月様が噛み付きそうな勢いだよ。
「点てるって…抹茶を御所望かい?生憎と、お茶といったらうちは急須なんだけどな」
千早様が若月様の怒りを削ぐように上手く話題をそらした。
「急須?……ふん、まあ…良いだろう。せいぜい私の舌を満足させられる茶をいれてくるんだな」
「こんにゃろっ」
小さく悪態をつく若月様。
うーん……口が悪いというより、性格が高飛車なのかな?



