「塒池だよ」 「塒池!?」 「あらまあ~」 塒池ってことは、人間の世界に行くの!? 「池から沙織の母親の気配がしたんだ。きっと手を浸したんだろうね」 「じゃあ、お母さんが来てるんですか?」 「そうなるよ。待たせては悪いから、急がないとね」 あちゃー…。 おじいちゃん宛ての手紙をせっかく書いておいたのに、持ってこれなかったな。 そんなことを考えていたら、あっという間に池に到着。 こちら側にある池から塒池へと渡って、人間の世界へ。 私達三人は久しぶりに表の世界の大地を踏み締めた。