さて、その日の夕方。
おばあちゃんと朱美ちゃんと一緒に居間で寛いでいたら、傍にいた千早様が突然ビクッとして立ち上がった。
「沙織、香織!おいで!」
千早様に腕を引っ張られる私とおばあちゃん。
「ふあ!?千早様!?」
「何かしら?」
「千早様!?どこ行くの~?」
朱美ちゃんの声には答えずに、千早様は私達を外に連れ出した。
「乗って!急いで」
外に出た瞬間、たちまち龍の姿になった千早様。
焦った様子で手に乗るよう指示を出す。
私とおばあちゃんは素直に従ったものの、千早様の行動に疑問を感じざるを得なかった。
「どこに行くんですか?」
飛翔した千早様の顔に向かって問い掛ける。
すると…。



