「祝福か…。私にそれを受ける資格があるだろうか」
「ございます。大地に還った龍の魂も、それを望んでいます」
それって、鏡花様が…?
「そう…か…」
千早様の声が震えた。
「見せしめのように……殺してしまったんだよ…」
「それが貴方様の出された答えなら、満足でしょう」
「彼女は、最初から死ぬ覚悟があったのかな…。私がなかなか過去を断ち切れないから…見兼ねたのかもしれないね…」
鏡花様は自分も死ぬ覚悟で私のことを殺そうとしたの?
私か、鏡花様か。
人間か、龍神様か。
千早様のお相手に相応しいのは、どちらか…。
命をかけて、鏡花様はそれをハッキリさせたんだ。
千早様は私を好きだと言いながら他の龍神様にも優しかったから、なんていうか……けじめみたいなものが欲しかったんだろうな…。
私だって、もし付き合ってた彼氏から「別れよう」って言われるならキッパリとフラれた方が気持ちが軽くなる。
いつまでも曖昧に優しいと、辛いだけだから。



