そっか。だから似ててもおかしくないのか。
きっとお母さんも、お二人にそっくりの美人さんなんだろうな…。
「ところで千早様。先程、南西の方角に凄まじい落雷を目にしたのですが…。あれは…」
朧様の話題にドキリとなる。
落雷って、鏡花様に浴びせたあの…。
「君の察する通り、私だよ。私が力を使った」
千早様は臆することなく淡々と答えた。
「龍の魂が…一つ、大地に還りました」
「そうだね…」
大地に?龍神様の魂は天国に行かないのかな?
「君も……私を咎めるかい?」
「いいえ。僕は貴方様を咎めはしません。むしろ、お二人を祝福します」
意外な言葉だった。
祝福。
ここに来て初めて、私と千早様の関係が認められたような気がする。



