私の中では、千早様を拒むなんて考えは微塵もわいてこなかった。
心も身体も魂さえも、千早様を受け入れることが自然のことのようで…。
「大好きだよ…沙織」
拒むなんて、有り得ない。
今、拒んだら…彼の穏やかな闇色の瞳は絶望の黒に変わってしまう。
そんなこと、私の本意じゃない。
「千早様……嬉しいです」
素直な感情が口から漏れた。
「沙織の気持ちも、聞かせておくれ」
「好きです。千早様……大好き…」
羞恥心は残っていたけれど、私は思い切って千早様の白い胸元に頬を寄せた。
「沙織…!」
また唇が重なった。
「君の全てを感じたい…」
それから、私は千早様という激しい波にのまれ……その荒波に身を委ねた。
水面に開花する睡蓮の如く、私の身体は清らかな水辺で女となった。



