「今宵、一匹の龍が死んだんだ。滅びの後には再生が……死の後には誕生がやって来る…。これは自然界の摂理だよ」
「摂理…?」
「そう。その摂理を、私達が導くんだ」
「私と一つになってくれないか。今ここで生の儀式を……私と契りを…交わしておくれ」
契り…それはつまり、私の初めてを捧げること。
この時なぜか、私は千早様を恐れなかった。
ついさっきまで心にあった躊躇いや戸惑いが、彼の真摯な語りかけによって薄らいでいった。
生の儀式。契り。
それは人間的に言うなら、私と千早様の結婚だ。
千早様は鏡花様を死に追いやってまでして、私を選んだ。
今、私が求められているのは、その証し。
千早様の覚悟に、私も応えなければいけない。
イエスか、ノーか。



