千早様を真正面から見るのに堪えられなくなった私は、逃げるように水面を凝視した。
すると、頭上でクスッと笑う声が聞こえた。
「沙織……綺麗だね。全て見えるよ」
「え…?」
全て見える?何が?
私は恐る恐る自分の身体に視線をやった。
「あ………っ!!!!」
見てビックリ。
着物は私の素肌を隠す役割をとうに放棄していたようで、鎖骨も胸もお腹も丸見えだった。
恥ずかし過ぎて肩まで水に浸かろうとした時、千早様が私の両肩を捕まえた。
「逃げないで。もっとよく見せて」
千早様の言葉に縛られる。
私の身体は目には見えない甘い束縛によって動けなくなってしまった。
「本当に……綺麗だよ、沙織」
濡れてしっとりとした肌の感触を楽しむように、千早様の指がゆっくりと私の首筋から鎖骨を撫でる。



