鏡花様の身体は地上に落ち、見えなくなった。
明るかった稲妻も消え、天にはまた暗い夜空のみが残った。
「千早様……鏡花様は…?」
どうなったの?
まさか、死んだ…とか?
死ねって聞こえたけど、まさか本当に殺してないよね?
気絶したから落下しただけだよね!?
「鏡花様、落ちちゃったけど…大丈夫ですよね…?」
聞き直したら、千早様は掠れた声でこう言った。
「……殺したよ」
「……え……?」
「鏡花は……殺した」
「………え……そん、な」
嘘ですよね?と尋ねる前に、千早様が動いた。
優雅に身体をくねらせ、地上へと舞い降りる。
屋形に帰るのかと思ったら、違った。
千早様がやって来た場所は、山の中にあるいつかの滝だった。



