「あら、放してよろしいの?」
鏡花様の握力が僅かに緩んだ。
いやいや、よろしくないですっ!!
この高さから落ちたら普通の人間はぺっちゃんこになるから!
やめて!!!!
「うふふ、単に落とすだけではつまらないわ」
私の恐怖を悟ったのか、鏡花様はそう言うと私をポーンと空へ放り投げた。
「バイバイ、沙織さん」
舞い上がって落下する私の身体に、大きな尻尾が振り下ろされる。
今の私はまるでテニスボール。
龍の尻尾という巨大なラケットに叩かれる寸前の小さなボール。
もう……ダメ…!!
「沙織ぃい!!!!」
尻尾と激突する瞬間、ボスッという音と共に私の身体は落下を止めた。
「痛っ!」
そう感じたけど、尻餅をついたからであって、殴り飛ばされたからじゃない。
私は恐る恐る頭上を見上げた。



