「でも……どうして自殺なんか…」
やる瀬ない気持ちで俯く私に、傑様は淡々とした口調で語る。
「今の貴女と同じですよ。周りの反対が激しかったんです。ゆえに彼女は耐え切れず、自ら命を絶ちました」
そこまで話すと傑様も立ち上がり、部屋の出入口に向かった。
「……貴女は、そうはならないで下さいね」
出ていく前にこぼれた、傑様の言葉。
無関心を装ってるようで、さりげなく反対派だけど、私達の未来を心配してくれてる。
私も、耐え切れなくなって自殺を考えてしまうようになるのかな…?
「大丈夫…。沙織を死なせはしないよ」
私の不安に気づいた千早様が後ろから耳にキスをくれた。
「はい…」
千早様を信じよう。
彼と一緒なら、どんなに辛くても乗り越えられるきがする。
腰に回っている千早様の腕に、私はそっと手を重ねた。



