想像してたら千早様にますますギュッと抱きしめられた。
そんな千早様を見て、玄葉様が妖艶に笑う。
「ふふ、そんなに好きなの…。なら、アタシから一つアドバイスしてあげる」
玄葉様はすくっと立ち上がり、私達に背を向けた。
「常に失う覚悟をしていた方が楽よ。でないと……アタシみたいになるわ」
それだけ言うと、玄葉様は部屋から出ていった。
「今の…どういう意味ですか?」
誰にともなく呟いた私に、傑様が答えてくれた。
「おそらく、昔の自分と重ねているのでしょう。玄葉も人間の娘を愛した時期がありましたから」
「え……玄葉様が!?」
「そうなのかい?初耳だな」
千早様も知らなかったみたいだ。
「でも…そのことと、あのアドバイスはどう繋がるんですか?」



