「どうするも何も、私は沙織と一緒になるよ」


しれっと言ってのけた千早様に玄葉様はぷくっと頬を膨らませた。


「だからー!澪様はアナタにもっと子供を作ってほしいのよ!夕星(ゆうずつ)様があんなことになられたから、余計敏感になってるのよね、きっと」


夕星…?

おじいちゃんの名前と同じだ。


「あの…夕星って…」


後ろにいる千早様を振り返ったら、少し寂しげな眼差しとぶつかった。


「夕星は…私の父上だよ。数十年前に亡くなったんだ」


「殺されたんですよね。毒龍に」


毒龍!?

それって、毒を持ってる危険な龍だよね?


「五龍の長だった偉大な夕星様がこんなに早く亡くなって、後継ぎ少なくて困ったわよね。千早様と若月様しか子供がいないんだもの」