「沙織、明日もおじいさんのところへ行くかい?」
確認するように尋ねられた。
「はい。おばあちゃんが治るんですから、すぐ一緒に行きます」
「そうか…ならやっぱり、今日願いを叶えるのは止そう」
「え……な、なんで、なんでですか!?」
今、止そうって言った?
聞き間違えじゃないよね!?
ここまで来て、やっぱりやめたなんて…!
期待させといてズドーンて落とされるなんて…!
「ひどいですよ!千早様!」
私は千早様の着物をギュッと掴んでぐいぐい引っ張った。
「こ、こら…!落ち着いてごらん。何も願いを叶えないというわけじゃないから」
「本当に…?」
「ああ。本当だよ。だからそんな潤んだ瞳で上目遣いをしないでね。襲いたくなってしまうよ」
指摘された私は慌てて視線を下げた。



