相変わらず降龍神社は閑散としてる。
数段で終わってしまう石段を上り、軽い足取りで社殿の方へ近づいた。
千早様、どこにいるかな?
ゆっくり辺りを見回してみる。
社殿の周りには見当たらない。
屋根の上にも乗ってない。
「あれ?」
いない?
「千早様…?」
もしいるなら、こんだけキョロキョロしてれば話しかけてくるはずなんだけど……いないみたい。
「いないのか…」
私は神社の裏にそびえる塒山をちらっと見た。
登るの…嫌だな。
私、体力ないからすぐバテるし。
「って、そんなこと言ってらんないよね」
行こう。覚悟を決めて塒山を登ろう!
私は神社から出て、塒山ハイキングコースの看板がある道までやって来た。



