私とお母さんの目が見開かれる。
「お父さん、何言ってんの!?」
「おじい、ちゃん?」
信じてくれたの?
こんなあっさりと?
「香織を治してくれんのは、龍神か?」
「そ、そうだよ!龍神様っ」
なんでこんなにスムーズに話が進むの?
まさか、おじいちゃんも龍神様を見たことがあったりする?
「そうか。なら、本当なんだなぁ」
私はドキドキしながらおじいちゃんの言葉を待った。
「沙織ぃ」
「な、に?」
「頼む。そんでもいっから…香織を…」
おじいちゃんの声は消えそうだった。
けど…。
「香織を治してやってくれ」
力強かった。



