「お前の魂に俺の力が宿っているからだ」
それは、龍化の原因の?
「なら、なんで伊吹様は私に触ったんですか?」
この質問で出会いとか、理由とか聞き出せるかな…?
少し期待していたのに、告げられた言葉はあっさりとしたものだった。
「お前が死にそうだったから救った。それだけだ」
え…?
なにそれ、全然意味がわからない。
私、死にそうになったことあったかな?
「なんだ。今の説明では不満か?」
考え込んだ私の態度を不満と勘違いしたのか、伊吹様は上から目線でこう言った。
「もしや、俺がお前を気に入ったからだとでも思っていたのか?」
「そ、そんなんじゃ…」
「残念だったな。俺は人間が嫌いなんだ。何かあればすぐ神に頼る無力な下等生物など…」



