その日の夜、私は一人、食堂のイスに座ってホットココアを飲んでいた。
「熱っ…」
フーフーと冷ましながら頑張って飲む。
こういう時、猫舌は辛いね。
でも冬のホットココアは美味しいから好き。
身体全体があったまるし。
「ふうーふうー」
「美味いのか?」
「へ?ひゃあ!?」
いつの間に、向かいの席に白龍の伊吹様が座っていた。
「声を上げるな。うるさい」
「な、なんでいるんですか?」
めちゃめちゃナチュラルに座ってるし!
お母さん達が居間にいてくれて良かった。
「お前の様子を見に来た。腕を見せろ」
私はテーブルにコップを置いてしぶしぶ袖をまくった。
「ふん…やっと手の平まで進行したか」



