ヤツはマンガのように大きく吹っ飛び、地面に倒れた。

顔から鼻血がダボダボ出てるけど…まあ、たいしたことはあるまい。

「フン!」

ヤツにつかまれた腕をパンパンと汚いものを払うように手で払った後、休憩所を去った。

言っておくけど、あたしは絶ッ対に悪くねーかんな!?

子作りだとか嫁さんだとか、何とかほざいてたヤツが悪いからな!?

そこんところはよーく頭にたたきこんどけ!

「おい、人が倒れてるぞー!」

「死体か!?」

バッティングセンターを出る頃には大騒ぎ。

しかし、
「えーっと…兼松真麻、ね」

ヤツは、しぶとく生きていたのである。