「ええっ!?

クリスマスパーティー!?」

わざわざ声をひそめて言ってくれたナナに対し、あたしの声は驚きのあまり大きくなってしまった。

相当大きな声だったのか、隅の方でカプチーノを飲んでいたフーゴが片方の耳をふさいだ。

この宮殿で同居を始めて2ヶ月になる訳だけど、フーゴは未だによくわからない人だ。

一言で言うなら、“ミステリアス”だ。

食後はいつもカプチーノを飲みながら本を読んでいるから、話しかけにくいし…。

何を考えてるのか、よくわかんないなあ。

メグとは正反対過ぎるフーゴに、何でこの2人が幼なじみで長くつきあっているんだろうって思う。

「毎年お客さんを呼んで盛大にやっているんだ」

得意そうに言ったナナに、
「えー、それってすごくない!?」

あたしはナナの方へ身を乗り出した。