その日の夕食後のことだった。

「なあ、マーサ」

食後のダージリンを飲んでいたあたしに、ナナが声をかけてきた。

「何?」

「メグから聞いてるか?」

「はっ、何を?」

聞き返したあたしに、ナナはよっしゃと言うようにガッツポーズをした。

何だ?

当のメグは12月に入ってから慌ただしくなったのか、朝早くに家を出ては夜遅くに家に帰ってくるのが当たり前になった。

当然メグと顔をあわせることもなければ、口を聞くこともなかった。

「実はさ…」

ナナは怪談話でもするみたいに声をひそめると、
「12月24日にクリスマスパーティーがあるんだ」
と、言った。