その声に視線を向けると、
「ナナ」

制服姿のナナだった。

「どうした?」

あたしはナナに歩み寄った。

「友達に誘われたんだ」

そう言ったナナに、
「そう」

あたしは返事した。

「またその友達は帰ったんだ?」

あたしが聞くと、
「8時過ぎてんだし、帰るのが当たり前だろ」

ナナは答えた。

「まあ…そりゃ、そうか」

あたしは納得したと言うように首を縦に振ってうなずいた。

高校生がこんな夜遅くにウロウロしてたら、ケーサツに補導されるだけだしな。