モヤモヤ感がぬぐえないまま、翌日を迎えた。

「七緒」

教室に入ってきた俺を出迎えたのは太だった。

「昨日はすまんかった」

太は申し訳ないと言うように両手を前に出すと、180センチの躰を90度に曲げた。

「気にしてないからいいよ」

俺は太にそう返すと、自分の席へ向かった。

チラリと、針井の席に視線を向ける。

針井はまだきていなかった。

太が俺の後ろをついてきた。

俺はカバンを机の横にひっかけると、椅子に腰を下ろした。

太も自分の席に腰を下ろすと、俺の方に躰を向けた。