何で針井なんだ?

どうして針井が俺の頭の中を支配しているんだ?

――わたしと一緒にいるところを見られたら厄介なだけじゃない?

針井の言葉が、俺の頭の中を支配する。

文字通りの“厄介なヤツ”だな。

この前まではマーサだったのに…何で針井なんだよ。

「霧ヶ峰くん?」

西脇優奈の声に、俺はハッと我に返った。

不謹慎過ぎだと、俺は思った。

目の前にいる話相手は西脇優奈。

なのに、頭の中にいるのは針井寧々。

何だこの状況は。

不謹慎過ぎるにも程があるだろ。