「でも…うん…」

西脇優奈は困ったように口ごもった。

こいつ、飛び出したと言えば飛び出したけど何にも考えてなかったんだな。

「――クッ…」

思わず吹き出してしまった俺に、西脇優奈は恥ずかしがるように目を伏せた。

「すまん」

俺は右手を前に出して謝った。

西脇優奈が俺を見る。

「じゃあ、また…」

この場を去ろうとしたら、
「あの…!」

また西脇優奈に呼び止められた。

「んっ?」

俺が首を傾げると、
「――また…」

西脇優奈はまた恥ずかしそうに目を伏せた。