ハリネズミの恋

「ビックリした…。

起きたら目の前に霧ヶ峰くんがいたから…」

針井はまだ眠いと言うように目をこすった。

その仕草はまるで動物が顔を洗っているみたいで、
「かわいいな」

つい、呟いてしまった。

「えっ、誰が?」

針井は驚いたと言うように返した。

「いや…えーっと…」

俺は何が言いたいんだよ、おい。

「って言うか…もうそろそろで下校時間も終わりなんじゃないのか?」

半ば苦し紛れに俺は言った。

「えっ、もうそんな時間なの?」

針井は腕時計に視線を落とした。