ハリネズミの恋

そっ、と…針井に顔を近づけて見ると、フワリと甘そうな香りがした。

花じゃなくて、フルーツ系でもなくて…何だろ。

「あ、お菓子か」

答えがわかって俺は思わず呟いた。

それに気づいて慌てて手で口を押さえる。

針井はまだ眠っていた。

…助かった。

って言うか、俺は今何をしているんだ?

スマートフォンはもうブレザーのポケットの中だし、もうそろそろ合コンの方に向かわないと太がうるさい。

そんなことを思う俺だったけど、針井から漂う甘そうな香りに離れることができない。