女と言う生き物は、おしゃべりなイメージがあった。

マーサもどちらかと言うと、よくしゃべって、よく騒ぐタイプだ。

女で無口なタイプって…珍しいんじゃないのか?

「はい、終わり」

針井の声でハッと現実に戻された。

それまで机のうえで山のようにあったプリント3部がいつの間にかなくなっていた。

代わりにと言う表現はおかしいが、また1つ山ができていた。

俺たちがさっきまで作業をしていたプリントだ。

「後はわたしが先生に届けておくから、霧ヶ峰くんはもう行っていいよ?」

針井はカバンを肩にかけると、プリントの山を抱えあげた。

「半分持つよ」

俺は針井の手からプリントを半分奪うと、カバンを肩にかけた。