ハリネズミの恋

微笑んだ瞳はほんの少しだけど、潤んでいるように見えた。

「だけど、現実なんだぜ?

夢じゃなくて、現実」

そう言った俺に、寧々は首を縦に振ってうなずいた。

「結婚しような」

「うん」

俺と寧々の瞳が重なる。

寧々の肩に手をかけると、寧々の体温が手のひらに伝わった。

そっと目を閉じて、寧々に顔を近づける。

フワリと、マシュマロの甘い香りが鼻をかすめる。

唇に触れたぬくもりに、ドキッ…と俺の心臓が鳴った。

触れたのは、ほんの数秒…いや、少しだけ長かったような気がする。

そっと唇を離すと、目を開けた。

開けたのと同時に、俺と寧々ははにかんだように笑いあった。

☆★END☆★