背中に回された寧々の両手とマシュマロの甘い香りに、俺は彼女がここにいるんだと言うことを知る。

「優勝おめでとう」

顔を見あわせてそう言った寧々に、
「ありがとな」

俺は返した。

「あー、俺も早く愛する人の元へ飛んで行きてー!」

岩田さんが片手で自分の顔をあおぎながら叫ぶようにそう言ったので、俺たちは笑った。

「優勝おめでとう」

太が俺のところへ歩み寄ると言った。

「ありがと」

俺は返した。

激しい熱戦の結末は、優勝と愛する人の祝福の言葉で締めくくられた。