その声に振り返ると、フォックス形の眼鏡がトレードマークの氷室だった。

「あんた、寧々の…」

氷室は驚いたと言うように俺を見下ろしていた。

仕方がない、あっちの身長が高いんだから。

…んっ?

何で氷室がここに?

もしかしてとは思うけど、
「決勝戦の相手って…」

言いかけた俺に、
「ああ、俺みたいだね」

氷室がさえぎるように言った。

「マジかよ…」

あまりの事実に、俺は思わず呟いた。

まさか対戦相手が彼女の幼なじみなんて…こんな展開あるか?

何の因果関係だ、これ。