「暑い暑いって、黒着てるから暑いに決まってるじゃんかー」

俺は呆れたと言うように返した。

太の今日の私服は、黒のTシャツに黒のジーンズである。

おまけに足元は黒のラバーソールときた。

「俺が白い服着てるとこ想像できる?」

太はやれやれと言うように両手をあげた。

…もっとも過ぎて何も返せなかった。

確かに中学時代からの長いつきあいとは言え、こいつの白い服は想像できない。

制服のシャツは白だけど、正直に言うと違和感あり過ぎにも程がある。

それをあえて言わないのは、親友としての優しさである。