翌朝。

俺は制服に着替えると、ベビーリングを銀色のチェーンに通した。

ルビーが窓から差し込んでくる日差しで、キラキラと反射して光っている。

そのキラキラと澄んだ赤色に勇気をもらった後、首にチェーンをかけた。

「行ってきまーす」

俺は家を出ると、駅の方へ向かった。

通勤通学ラッシュが激しい朝の時間帯。

そこに寧々は、
「いた…」

駅から出てきたところだった。

俺はベビーリングをシャツの上から握りしめた。

大丈夫。

怖がることなんかない。

俺は俺の意思で、ありのままに伝えればいい。

寧々に歩み寄り、
「おはよう」

声をかけた。