「響ちゃんがS高校に通っている女の子でどうしても会いたい人がいるって、昨日相談されたの。

あたし、霧ヶ峰くんがこの高校に通っていることを思い出してそれで…」

「協力関係を結んだ、ってか?」

そう言った俺に西脇優奈は首を縦に振ってうなずいた。

「この学校にお姉ちゃんがいると言う話は、ウソなんだな?」

西脇優奈はまた首を縦に振ってうなずいた。

「あたし、霧ヶ峰くんにもう1度会いたかったから…」

「悪ィな」

西脇優奈の言葉をさえぎるように、俺は言った。

「好きな子がいるんだ」

そう言った俺に、
「…そう、なんだね」

西脇優奈は呟くように答えた。