「黙っていると言うことは、肯定と捉えてもいいんだな?」

俺の言葉に、西脇優奈は目を伏せた。

氷室は寧々の腕をつかんだ。

「お前たち、一体何してるんだ!?」

校舎の方から先生たちの怒鳴り声が飛んできた。

それまで集まっていた人だかりは逃げるように俺たちの前から去って行った。

そのどさくさに紛れるように、氷室は寧々の腕をひいて去って行く。

「おい、待て!

話はまだ終わってない…!」

「行かないで!」

西脇優奈が俺の腕をつかんだ。

俺はその手を振り払った。

「何でこんなことした?」

俺が聞いても、西脇優奈は口を開こうとしない。

「答えろ!」

強い口調で言った俺に、
「――ごめんなさい…」

西脇優奈は震える声で謝った。