俺は寧々にピースサインを見せると、
「サンキュ!

しっかり見てろよ!」

ズボンのポケットからいつものオレンジ色のヘアバンドを出して、髪をまとめた。

「エントリーナンバー35番、S高校ダンス部『ALRIGHT』の皆さんです!」

司会者の声に俺たちは飛び出すようにステージに駆けあがった。

爆音のミュージックが頭を刺激する。

頭から耳、耳から手、手から脚…そして、五感を刺激する。

リズムに乗ってしまえば、こっちのものだ!

頭を刺激するミュージックを耳に、客からの歓声を躰に受けて、踊る。

この後の結果を気にするくらいなら、今この瞬間を楽しめ!

くすぶっていた火種が、頭の中で花火となって弾け飛んだ。