やっと出会えたよ。

「おはようございます、岩田さん」

俺があいさつをすると、
「いやあ、おはよう」

岩田さんは返した。

「今年はずいぶんと参加者が多いみたいですね」

続けて俺が言うと、
「俺も正直言ってビックリしてるよ。

まさかこんなにも人がいるなんて思わなかったよ」

岩田さんはやれやれと言うように両手をあげた。

それから俺の後ろにいる太と寧々に視線を向けた。

寧々はペコリと小さく頭を下げた。

「いい彼女もらったな、霧ヶ峰!」

バシンと、岩田さんがそう言って俺の背中をたたいた。

「イテテ…。

岩田さんだって美人な彼女がいるじゃないっすかー」

たたかれた背中をなでながら、俺は何クソと言うように言い返した。