ダンス甲子園予選当日。

会場は当たり前だが、各校の参加者たちでいっぱいだった。

「すごいね…」

会場の雰囲気に圧倒されたのか、寧々は戸惑っている。

「ロシアよりも多いんじゃねーか?」

太はとんちんかんなことを言っている。

「確か…」

俺はキョロキョロと周りを見回しながら、岩田さんたちの姿を探した。

ったく、会場に現地集合現地解散って…こんな人だかりじゃ、どこにいるのか全くわかりゃしねーよ。

「あ、いたいた!

おーい、こっちこっち!」

聞き覚えのある声に視線を向けると、岩田さんが俺たちに向かって駆け寄ってきた。