…ほら見ろ。

しらけちまったじゃねーか。

針井はビックリしたと言うように大きな瞳をさらに大きく見開いている。

俺は逃げるように、針井から顔をそらした。

だから早かったんだよ。

恋人はもちろん、友達とも呼べないような俺たちの関係。

針井がうなずく訳なんて、
「――いいよ」

驚いて、俺は針井の顔を見た。

「えっ…?」

今、“いいよ”って…。

「霧ヶ峰くんとつきあっても、いいよ」

そう言った後、針井は微笑んだ。

「つ、つきあうの意味、わかってんだよな?

マックとかスタバとかの、そんな意味じゃねーんだぞ?」

さっきから俺は何意味わかんねーこと言ってるんだ。