「霧ヶ峰くん?」

針井が不思議そうに首を傾げた。

…俺が言いたいこと、本当はわかってるんじゃないだろうか?

もう知らん!

後は野となれ山となれ!

俺は何にも知らんぞ、チキショー!

「俺が1位をとったら…いや、とったんだけどさ…」

針井が俺を見つめる。

んなに見られたら、言えるもんも言えないっつーんだよ。

なんて思った俺だけど、唇は動く。

「…俺とつきあって、くれませんか?」

シンと、周りの雑音が耳から消えたような気がした。