ぐるりとカーブを大きく越えると、俺は3位に躍り出た。

よーし、スピードを出しますか!

3位から2位、2位から1位へと順調にペースをあげて、
「ゴール!

1位、2年4組霧ヶ峰七緒くん!」

アナウンスが叫ぶように言った。

他のランナーも次々とゴールにたどりついた。

ゼーゼーと肩で息をしている彼らとは対照的に、俺は呼吸1つも乱れていなかった。

普段からダンスしている結果である。

「100メートル走を終えた生徒は自分のクラスへ戻ってください」

アナウンスがそう言ったので、俺は自分のクラスへ戻った。

「お疲れ」

戻ると太がスポーツドリンクを差し出して迎えてくれた。

「サンキュ」

俺は太からそれを受け取ると、カチリとスポーツドリンクのふたを開けた。