太は俺がにらんでいることに気づくと、何事もなかったようにスマートフォンをいじり始めた。

「まあ、初恋の人を忘れられないと言う気持ちはよーくわかるけどな」

太にバツンと言われて、俺はにらむのをやめた。

…ホント、未練タラタラなのもいいところだよなあ。

俺はまだ、マーサへの思いを断ち切れないでいるんだから。

メグと結婚しても、いつかは俺のところへきてくれるんじゃないかと…未だにそんな夢を見ている。

マーサは、もうメグのものなのにな。

「おっ!」

太が嬉しそうに声をあげた。

「何だ?」

そう聞いた俺に、
「来週さ、R高校との合コンがあるんだ」

太は嬉しそうに答えた。

R高校とは、この近くにある女子校の名前だ。