多数の目から逃げるように俺はバタンと手でドアを閉めると、
「ちょっと、すまん」

針井を階段の方へと誘導した。

「それで…何か用事か?」

俺は階段に腰を下ろすと、針井に聞いた。

「…ちょっと見学にきただけ」

俺の質問に、針井は呟くように答えた。

「見学?」

入部希望ってヤツか?

「入部はしないけど」

針井が俺の頭の中を読んだと言うように答えた。

入部はしないけど見学にきたって…さっぱり意味がわかんねーんだけど。

「かっこよかった」

針井が言った。