「えっ!?」

そのある人物の姿を見た俺はずっこけそうになった。

「いやー、センターはつらいねえ」

岩田さんはニヤニヤと笑いながら俺の肩をポンとたたくと、テーブルにいるみんなのところへ向かった。

俺は駆け足でドアのところへ向かった。

ガチャッとドアを開けると、
「マジで針井じゃんか…」

針井は会釈するように小さく頭を下げた。

「何か用事か?」

俺が聞くと、針井は目を伏せた。

背中に感じる多数の目に視線を向けると、案の定部員たちがニヤニヤしながら俺たちを見ていた。

うーむ…。

ここにも悪魔がいるみたいだ…。

いや、悪魔“たち”だけどな。

なんてことを今は言っている場合ではない。