「よし、10分休憩!」

岩田さんがパンと手をたたいて、休憩を告げた。

ふう、休憩だ。

みんなはテーブルのうえに置いてある自分たちの飲み物のところへ行った。

癖っ毛をまとめているヘアバンドを外し、俺もそこへ向かおうとしたら、
「霧ヶ峰、ちょっと」

岩田さんに手招きされて名前を呼ばれた。

うっ…さっきのぼけーっとしてるところを見られた訳だからなあ。

そのお叱りでも受けるんだろうと思いながら岩田さんのところへ向かうと、
「あ・の・子」

「はっ?」

何故か区切りながら答えた岩田さんに、俺は訳がわからない。

てっきりお叱りを受けるんだと思っていたのに…。

「あの美少女」

岩田さんの指差す方向に視線を向けると、ドアの前にある人物が。