「どうした?」

俺はマーサのところに歩み寄った。

「メグから逃げてきた」

マーサはそう答えると、フローリングに腰を下ろした。

「またか…」

俺もマーサの隣に腰を下ろすと、髪をまとめていたヘアバンドを外した。

マーサは不思議そうに首を傾げて、
「今日は言わないんだ?」
と、言った。

「はっ?

何を?」

俺は聞き返す。

「“今すぐメグと離婚して”…」

「俺のところへ戻ってこいよ!」

マーサが全部言う前に、俺はいつも言っているセリフの続きを叫んだ。