だけど、先生はお兄さんたちの前から今すぐ逃げたいと言う感じだった。

「彼女は?」

お兄さんの1人が私に気づいた。

「僕の生徒の芹沢さんです」

先生が答えた。

「芹沢萌です、初めまして」

私はお兄さんに向ってペコリと頭を下げた。

「これはご丁寧に。

いつも弟がお世話になっています」

もう1人のお兄さんが私にペコリと頭を下げた。

「風吾、父さんと母さんもきてるんだ。

顔見せに行こう。

2人も喜ぶから」

お兄さんが先生の手をつかんだ。