「コーヒーの用意をしていますので待っていてください」

研究室にある小さなキッチンへ行こうとした僕に、
「あ、それなら私が…」

ガタッと、芹沢さんが椅子から立ちあがった。

「あ…」

芹沢さんは目を伏せた。

「す、すみません…。

こんな出しゃばったことを…」

呟くような小さな声で芹沢さんが言った。

「あー…」

次に僕は何を言えばいいのだろうか?

言葉が思いつかないし、続かない。

ガタンと、芹沢さんが椅子に腰を下ろした。

彼女が座ったのを確認すると、僕はキッチンへ向かった。