今の今まで、本当に大切に萌さんを大切に育ててきたんだな。

僕は彼の萌さんへの深い愛情を感じながら、
「はい、萌さんを必ず幸せにします」

深く頭を下げた。


その翌日、今度は萌さんを僕の家族と顔をあわせた。

家族は萌さんを温かく迎えてくれた。

「風吾も結婚か…。

もうそんな年齢になったんだな」

しみじみと、英吾兄さんはそう言った。

「そんな年齢になったって、僕もう今年で33ですよ?」

そう返した僕に、
「俺は、風吾もいつかは結婚するんだと思っていたぜ?」

慎吾兄さんは笑いながら返した。

そんな僕ら兄弟のやりとりを、萌さんは微笑ましそうに眺めていた。