萌さんは愛しそうに、手のひらのうえのベビーリングを見つめた。

「受け取って、もらえますか?」

そう聞いた僕に、
「大切にします。

私と風吾さんのベビーリングですから、大切に持っています」

萌さんは首を縦に振ってうなずいた。

「萌さん」

「風吾さん」

僕らはまた見つめあうと、また唇を重ねた。

もう2度と、僕は萌さんの手を離さない。

萌さんを好きだから。

萌さんを愛しているから。

もう2度と、僕は萌さんの手を離さない。

僕は萌さんの躰を、抱きしめた。